アレルギーの血液検査でわかること・わからないこと
- 2025年6月17日
- アレルギー科
最近よくあるご質問:「一度にたくさんのアレルギー検査ができますか?」
最近、「一度にたくさんのアレルギー検査ができる方法があると聞いたのですが、当院でもできますか?」というご相談をいただくことが増えています。
当院の基本方針:丁寧な問診と精度の高い検査
アレルギー検査にはさまざまな方法がありますが、当院ではまず症状や生活環境を丁寧にお聞きする問診から始めます。
そのうえで、アレルギーの可能性が高い原因に絞って検査を行います。
当院が主に使用しているのは、**検査精度が高く数値が正確に出る「イムノキャップ法」**です。
保険診療で検査できる項目数は13項目までとなっています。
この検査では、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に対してどれくらい強く反応しているかを数値で把握できます。一部のアレルゲンでは、その数値から症状が出やすいかどうかを予測することも可能です。
多項目を一度に調べる検査について
一方で、「一度にたくさんの項目を調べられる検査」も存在します。代表的には、マストイムノシステムズ、Viewアレルギー39、ドロップスクリーンなどがあります。これらは少ない血液で多くのアレルゲンを一括チェックできるため、**アレルギーの原因がはっきりしないときのスクリーニング(初期調査)**に便利です。
一括検査の注意点と限界
ただし、これらの多項目検査は半定量的で、反応の強さは大まかな段階でしか示されません。そのため、正確な数値や症状の出やすさまでは判断できない点に注意が必要です。診断目的として使うには限界があり、あくまで初期の方向性をつかむための検査として位置付けれらます。
血液検査だけで診断はできません
アレルギーの有無は血液検査の結果だけで決まるわけではありません。重要なのは、「実際にアレルゲンに触れたときに症状が出たかどうか」という点です。
・検査結果が陽性でも、症状がまったく出ない場合もあります。
・陰性でも症状が出ることもあります。
そのため、最も大切なことは患者さんのこれまでの症状をしっかりお聞きすることとなります。
当院では、検査結果とあわせて日常生活での症状を踏まえ、総合的に診断を行っています。
登戸(のぼりと)・向ヶ丘遊園エリアの小児科 アレルギー科|なかむらこどもクリニック
一般小児科・アレルギー外来・乳幼児健診・予防接種を行っています。
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