魚アレルギーと白身魚・赤身魚・青背魚との関係
当院には魚アレルギーではとご相談に来られる患者さんがたまにいらっしゃいます。
よくある誤解ですが、魚アレルギーには魚の身や皮膚の色は関係しません。
主なアレルギーの原因はパルプアルブミンと呼ばれるタンパク質ですが、このタンパク質は広く魚に共通しており、魚の色とは関連がありません。ちなみに魚肉の色はミオグロビンという物質の量できまり、青背魚は外見上の違いです。
青背魚はアレルギーが多いと敬遠される方がおられますが、サバなどの青背魚にはヒスチジンという物質が多く含まれおり、体表に付着した細菌がもつ酵素により、ヒスタミンと呼ばれる物質に変換されます。これをたくさん摂取すると蕁麻疹や皮膚の発赤などアレルギーと誤解を招くような反応が出てしまいます。
アレルギーは免疫反応が介在するものを指しますが、この反応には免疫反応が介在しないため、中毒に分類されます。
パルプアルブミンは多くの魚に共通して存在するために、魚類アレルギーになると多くの魚類にアレルギー反応を起こすと可能性があります。
しかし、魚によってパルプアルブミンの量が異なったり、缶詰などの高温処理・かまぼこなどの水さらし・鰹節などの発酵処理により低アレルゲン化することができたりするため、必ずしも全ての魚類を除去する必要がない方もおられます。
当院では、必要最小限の除去を食物アレルギーの原則としており、魚類アレルギーのお子さんにも一概に完全除去指導せず、安全に摂取可能なものを検討するように心がけております。