日本アレルギー学会のシンポジウムで座長を務めました|なかむらこどもクリニック|登戸駅徒歩1分|川崎市多摩区の小児科・アレルギー科

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日本アレルギー学会のシンポジウムで座長を務めました|なかむらこどもクリニック|登戸駅徒歩1分|川崎市多摩区の小児科・アレルギー科

日本アレルギー学会のシンポジウムで座長を務めました

先日は学会参加のために休診となり、皆様にご不便をかけ申し訳ありませんでした。

 

木曜日の診療終了後に新幹線で京都へ向かい、日本アレルギー学会に参加してきました。私は「食物アレルギー:疫学」というミニシンポジウムで座長を務めました。学会では、食物アレルギーやアナフィラキシーに関する最新の情報を得ることができました。

 

特に印象的だったのは、国立相模原病院の杉崎先生が発表された2023年の即時型食物アレルギー全国モニタリング調査の結果です。この調査は2001年から3年ごとに行われている重要な調査で、今回は「木の実類(特にクルミ)が乳幼児の食物アレルギーの原因として急増している」という驚きの結果が報告されました。以前は、鶏卵と牛乳が主な原因でしたが、今回は木の実類によるアレルギー反応が特に幼児で増加し、幼児では2番目に多い原因となっているとの事です。

 

「なぜ木の実アレルギーが急増しているのか?」という質問に対しては、加工品(例えばドレッシング)を通じて幼児期から摂取する機会が増えたことが一因ではないかと言われておりましたが、具体的な原因はまだはっきりしていません。

 

また、果物アレルギーに関する発表もあり、乳幼児ではキウイやバナナのアレルギーが多いとの事でした。乳幼児発症のバナナアレルギーは成人発症とは異なり、成長とともに自然に治るケースも多いとのことで、診断を受けても定期的に確認することが重要だとかんじました。

 

今回の学会では忙しい中での参加でしたが、嬉しいこともありました。それは一緒に研究した先生達と直接お会いできた事です。今年8月に私や千葉大学小児科の先生が中心に行った「鶏卵への感作・アレルギーの出生から成長に伴う変化」に関する研究の結果が、権威あるヨーロッパのアレルギー専門誌「Allergy」に掲載されました1。大変名誉なことでしたので、皆で喜びたかったのですが、なかなかお会いできませんでした。今回の学会で直接お話でき、改めて研究の成果を共に喜ぶことができました。

 

今後、この研究結果についてもブログで詳しくお伝えしたいと思います。

 

学会で学んだことを生かし、日々の診療をより良くしていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

  1. Nakamura T, Nakano T, Simpson A, et al. Trajectories of egg sensitization in childhood: Two birth cohorts in Asia and Europe. Allergy. 2024.