乳幼児健診
乳幼児健診
乳児健診では赤ちゃんの成長と発達を確認します。お子さんの全身の診察はもちろん、お父さんお母さんの疑問点をお聞きし、育児の応援をします。また、何か手助けが必要なお子さんでは、川崎市のみまもりセンターなどと連携する窓口ともなります。
専門診療時間帯(14:00-16:00)…時間予約制、1か月前から予約可能です。
お子さんの健康や発達の確認と病気の早期発見と早期介入を目的に乳幼児健診は行われています。当院では川崎市が委託する健診とそれ以外の健診いずれも対応いたします。
乳児健診ではまず、体重・身長・頭囲・胸囲を測定しますが、保護者の方の質問が最も多い点でもあります。
体重は、健診日の一点のみではなく、出生されてからこれまでの経過から異常がないかを確認する必要があります。母子手帳には発育曲線といって、各月齢や年齢で目安となる体重が記載されており、この曲線を使用して、お子さんの体重の標準的な範囲にあるのか、増え方がラインに沿って成長しているかを確認しています。
体重の増え方は栄養方法(母乳・混合・人工栄養)によって特徴が異なりますが、母乳栄養がメインの赤ちゃんでは、生後3か月以降になると体重増加率がやや緩やかになり、1歳時点では人工栄養のお子さんよりも若干低くなる傾向があります。ただし、特に母乳栄養のお子さんの体重の増え方は個々の赤ちゃんでばらつきが大きいため、何回かの測定結果を確認することがとても大切です。
身体測定では、身長・頭囲も併せて計測しています。これらの値はその増え方だけではなく、体重とのバランスを確認します。これは低栄養の影響は体重→身長→頭囲の順に現れるためです。赤ちゃんの身長は立位で測定はできないため、臥位(横になっている状態)で測定します。このため、やや誤差を生じやすいという特徴があります。
体重・身長の増え方がゆっくりな赤ちゃんでは栄養方法やおしっこの回数・便の性状を確認しています。体重が増えない、増えていいても標準体重の3パーセントタイル以下が続いてしまう場合には念のため、詳しい検査を受けることをお勧めします。
川崎市の乳幼児健診のうち、当院では3-4か月児、7か月児、5歳児健診を行います。
各健康診査の受診期間は以下の通りとなります。
10か月児健診は、7か月児健診を受診され、必要と診断された方に行います。
※1歳6か月児、3歳6か月児は保健福祉センターにて実施します。
3か月を過ぎると、あやすと笑い、おはなしを始める時期となります。徐々に睡眠のリズムの作られ始めます。音のするおもちゃに興味を示したり、反応したりします。4か月頃にはお母さんの声に振り向くようになります。また、さまざまな予防接種が受けられるようになります。
体重:1から3か月までの標準的なパターンは以下のような特徴があります。
頭囲は胸囲と同程度か少し大きい事が多いです。
精神的な発達の特徴としては、あやすと笑うようになり目があったり、じっと見つめたりするようになります。また、盛んにアーとかクーとかおしゃべりをするようになります。そして、音がするとそちらを向くようになります。
運動の発達としては頚が座る時期です。診察時に引き起こしをして確認します。45度くらいに引き起こしたところで、頭と頸が同じ傾きになっていれば頚が座っていると判断します。
診察では、頭の先からつま先まで診ていきます。胸の音・おなかの音を聞いて陰部も含めて丁寧に診察します。お口の中は、泣いてしまった時や最後に診察します。
股関節ですが、股の開き具合や膝の高さなどを確認します。股関節が硬い、膝の高さが異なる場合には、念のために整形外科の先生へご紹介しています。
泣いたときにでべそになってしまうお子さんでは、綿球と透明ドレッシングを使用して、飛び出した臍を押し込む治療をお勧めしています。6か月を過ぎると徐々によくなりますが、お臍の皮膚がたるんでしまうことを防ぐためです。
このころは基本的な栄養として母乳やミルクをしっかり飲むことが大切です。白湯やお茶をあげる必要はありません。特に母乳育児をされている方では、母乳をお子さんが飲みたそうにしているときに、授乳することにより、十分な水分量がとることができます。
5か月頃になると、そろそろ離乳食を始める時期となります。しかし、いきなりスプーンで口に入れても、お子さんはどうしたらよいかわからないでしょう。ですから、できるだけ家族一緒に食べて、楽しく食べていることを見せることで、食べても安全・楽しい事とわかるようになります。これによって離乳食への準備が整いやすくなると言われています。
生後6か月になると母乳以外の食べ物に興味を持ちます。保護者の方だけではなく、多くの周りの方との関係を深める時期となります。
授乳の回数は徐々に減ってくることが多いですが、まだまだ夜頻回に起きて、1日8回以上授乳したりすることも珍しくありません。この時期の栄養の主体はまだまだ母乳やミルクですが、鉄・亜鉛・ビタミンなどを母乳以外から適切に補完食(離乳食)として摂取することが重要です。
体重は生後5-6か月程度で、概ね出生体重の2倍となり、その後はやや緩やかに増加します。体重または身長がとても低い状態が2-3か月続く場合には詳しく検査することが必要です。
5-6か月になると寝返りができるお子さんが増えてきます。但し、個人差があり、7か月ごろには9割近くのお子さんができるようになります。寝返り以外の発達の遅れがなければ、あまり心配しないでください。
6か月では少しの間であれば、支えがなくても座ることができるようになります。またゴロンと寝た状態では、両足を持ち上げて、手で握ったり口に持って行ったりして遊びます。7か月を過ぎると一人で座れるお子さんが増えてきます。
おもちゃをわたすと機嫌が良いと自ら手を伸ばしてとります。つかみ方は指よりも手のひら全体でつかむことが多いです。7か月頃になると両手に持って打ち合わせて遊んだりすることが見受けられます。
人見知りがそろそろ始まる時期です。知らない人をみるとじっと顔を見つめて怪訝そうな顔をしたり、お母さんがいなくなると探すような仕草が見られます。診察中に顔に布をかける診察をしますが、これは前が見えないという事がわかるという精神的な発達と上肢の運動が左と右とで差がないかを見ています。
診察では、3-4か月健診と同様に全身を診ています。また、当院では6か月からは眼のスクリーニング検査を行います。
授乳・離乳の支援ガイドによると生後5-6か月が離乳食開始に適当な時期とされています。頻繁に授乳してももっと飲みたがるなどのサインがある場合にはじめてみると良いでしょう。
離乳食を始める準備ができたお子さんでは、お母さんやご家族が食事をしていると身を乗り出して口を開けるようになってきます。このころにはスプーンを入れても舌を押し出さなくなり、食べ物を口に受け入れる準備ができます。離乳食はお子さんのペースで楽しく食べることがとても大切です。ひとさじでも食べたらみんなで褒めてあげて下さい。スプーンで食べさせる場合には、食べ物の大きさや固さを感じやすいように舌の前のほうにのせるようにします。口を無理やり開けさせたり、食べ物を口の奥の方に押し込んだりはしないようにしましょう。
赤ちゃんと正面に向かい合って1対1で食べさせようとして、なかなか食べられないことがあります。膝の上に抱いて食べた方が赤ちゃんが安心して食べられることもあるので、試してみてください。最初はおかゆから始めることが多いと思いますが、離乳初期のおかゆを嫌がってしまう赤ちゃんもいます。その場合はリゾットくらいの柔らかいご飯から始めることもできます。
新しい食べ物を増やすときや固さを変える場合には少しずつ行いましょう。アレルギーの観点から鶏卵・小麦などの食品を遅らせて食べることは推奨されていません。しかし、安全のために、新しい食べ物を始めるときにはよく加熱したものを1さじずつ徐々に上げてみてください。
口の周りに発赤などが出た場合には、それ以上の症状がでないか1時間程度観察し、他の症状がなければ半量位を数回試してみてください。その際、お口の周りにつかないようにしましょう。特に症状がなければ、徐々に増やして食べ進めてみてください。口の周り以外に体や全身に発赤がでたり、咳や嘔吐がある場合にはご自宅で経過観察せずに受診して相談して下さい。
自費診療にて行います。入園前健診などが該当します。
内容 | 身長・体重・頭囲・胸囲の測定、診察、月齢に応じた心身の発育の確認と指導・視力スクリーニング検査 |
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お持ちいただくもの | 母子手帳 健康診査問診票(川崎市の乳幼児健診の場合) 健康保険証 乳児医療証 ※上記をお忘れになると健康診査を行うことが出来ません。 |
WelchAllyn社のスポットビジョンスクリーナーを用いて6か月児から行います。検査に伴う痛みなどなく、近視・遠視・乱視・不同視・斜視・瞳孔不同などの異常の疑いがあるかスクリーニングできる検査です。
当院では健診時に無料で行います、またそれ以外では自費検査として行うことができます。(学童期の方も可能です)
※お子さんの目の「弱視」は約2%の確率で起こっていますが、4歳以下で治療を行うと90%以上で弱視の改善が得られるとのデータがあります。これまで受けたことがない方は是非お声がけください。異常の疑いのある方はお子さんの検査が可能な眼科医院をご紹介します。