お咳の話
お子さんのお咳はとても多くご相談頂く症状です。あまりにも一般的な症状であるため、質
の高い研究が少ない分野ですが、お子さんでは特に病気がなくても1日平均10回程度のお咳
をしていると言われています。このような異常がなくても出る咳は「寝ているときにはほと
んど咳がない」という特徴があり、夜間にお咳で眠れないような場合は風邪を始めとしたご
病気の一症状として咳が出ていると考えます。
お子さんの咳の原因の多くはウイルス性気道感染、つまりは「風邪」です。咳が続くと心配
になりますが、風邪による咳の多くは2~3週間程度で消失します。しかし、集団生活をさ
れている場合には、新たな風邪をもらいやすい環境にいるため、3週間以上お咳が続く事も
よく経験します。時には1か月以上続くこともありますが、ほとんどの方は時間とともに回
復されます。
長引いたり、消耗するほどの強いお咳のお子さんが来院された場合には、発熱の有無を問診
で確認し、息苦しさの有無をお子さんを観察して判断し、呼吸音の異常を聴診して合併症の
有無を確認しています。喘息などの合併症がある場合には、当院でできる範囲の加療を行い
、難しい場合には他の医療機関をご紹介しております。特に合併症がない場合には、概ね鎮
咳薬や去痰剤を処方して、軽快するのを待ちますが、遷延する場合には、抗菌薬も併用頂い
て経過観察しています。