アナフィラキシーのリスクが高い方
はじめに
食べ物や薬、虫さされなどが原因で、全身に強いアレルギー反応が起こることがあります。
これをアナフィラキシーと呼び、症状が急に進行して命に関わることもあります。
アナフィラキシーは、早めに気づいて適切に対応することがとても大切です。
今回は、アナフィラキシーを起こしやすい方の特徴と、日常生活で気をつけたいポイントについてお話しします。
■ このような症状があったことはありませんか?
アレルゲン(アレルギーの原因物質)にふれたあと、次のような症状が出たことがある方は注意が必要です。
【消化器の症状】
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何度も吐き続ける
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我慢できないほど強いお腹の痛み
【呼吸器の症状】
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のどや胸が締めつけられる感じがする
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声がかすれる
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犬が吠えるような咳が出る
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強いせき込みが続く
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ゼーゼー・ヒューヒューと息が苦しい
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息がしづらい
【全身の症状】
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唇や爪が青白くなる
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脈が弱くなる、触れにくくなる
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意識がもうろうとする
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ぐったりする
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尿や便をもらす
これらの症状は非常につよいアレルギー反応であり、もし症状があった場合には、ただちにエピペン投与や救急車を呼ぶ必要があります。
■ アナフィラキシーを起こしやすい方の特徴
次のような方は、アナフィラキシーを発症するリスクが高いといわれています。
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過去に呼吸器や全身の症状を伴うアレルギー反応を起こしたことがある
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原因アレルゲンの特異的IgE値が強陽性である
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気管支喘息を合併しており、コントロールが十分でない
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ごく少量でも症状が誘発される
これらに当てはまる方は、再び強い症状を起こす可能性があり、エピペンをはじめとした「アナフィラキシー補助治療薬」の処方することができます。
■ いざというときの備えを
アナフィラキシーは、早めの対応が命を守るポイントです。
医師の指導のもと、**エピペン®(アドレナリン自己注射薬)**の携帯や使用方法を確認しておきましょう。
また、近い将来、**鼻から投与できるアドレナリン治療薬(ネフィー®点鼻液)**の発売も予定されています。
注射が苦手な方にも使いやすい新しい選択肢として注目されています。
当院でも、ネフィー®点鼻液が使用できるよう準備を進めています。
発売後は、エピペン®とあわせて、それぞれの患者さんに合った治療法をご案内していく予定です。
登戸(のぼりと)の小児科 アレルギー科|なかむらこどもクリニック
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