インフルエンザが猛威を振るっています。8月後半から流行期となっており、この文章を書いている12月まで全くその勢いが衰えていません。

当院がある、川崎市多摩区では11月最終から12月かけての定点当たり報告数（１医療機関当たりの平均報告数）は25人を超えており、ここ数年で最も高い値を維持しています。

＜当院での検査キッド確保状況＞

インフルエンザの検査を希望され、多くの方が来院されておりますが、現在検査キッドが慢性的に不足しており、希望されても承ることできない事があります。申し訳ございません。10月頃には、「次回検査キッドが購入できるのは1か月以上先になるかもしれない。」という事態があり、その後も供給が不安定な状況が続いております。

＜検査の適切な時期＞

インフルエンザ検査の適切な時期には諸説ありますが、概ね半日程度経ってから検査することが推奨されています。これより検査時期が早いと検査の精度が悪くなるためです。一部には3割程度の検出率（正しくは感度と言います。）であったとの報告もあります。

＜当院での検査方針＞

呼吸器や循環器に慢性疾患をお持ちの方や医師の診察により、呼吸や循環障害などの緊急性が高い症状（ゼイゼイして呼吸困難がある・明らかな脱水症状がある場合などです）があり、救急診療が必要と考えられる方や1歳未満の乳児の方（※）は半日を待たずに、検査を行っております。一方で、そのような状況にない方が発熱後、半日以内に受診された場合では、検査キッド不足を鑑み、「発熱に対する対処の仕方の説明や解熱剤などの処方を行い、翌日再診し検査を受ける」ようにお願いしております。

体調が悪いのに、なぜ翌日に受診が必要なのかと感じられるかもしれません。これには、保険診療（保険証を用いた診療）では、「発症48時間以内の検査」という算定要件（保険診療として取り扱うための条件）があるため、発症3日後では検査を保険診療として承る事ができないためです。

ご体調悪い中恐縮ですが、多くの方に必要な検査を提供するため、上記の方針をご理解・ご協力いただければ幸いです。

※     緊急性の評価には、対面診察が必要となります。このため、お電話などにより、検査できるかどうかのお問い合わせには対応しておりません。