兄弟が食物アレルギーの場合|なかむらこどもクリニック|登戸駅徒歩1分|川崎市多摩区の小児科・アレルギー科

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兄弟が食物アレルギーの場合|なかむらこどもクリニック|登戸駅徒歩1分|川崎市多摩区の小児科・アレルギー科

兄弟が食物アレルギーの場合

兄弟が食物アレルギーの場合、アレルギー検査をしてから離乳食をはじめるべきですか?
当院には多くの食物アレルギーの方が通院されていますが、時々質問を受けることがあります。

「食物アレルギーを疑う症状を経験されていなければ必要ありません。」とお答えしております。

多くのご両親が兄弟の食物アレルギーがあると次のお子さんにも発症するのではないかと心配されます。確かに、アレルギーは遺伝と環境の二つの相互作用により発症するため、「遺伝性」を心配されるのはごもっともと思います。

一方で、現在までのところ、ご兄弟に食物アレルギー発症があっても、疑わしい症状を呈したことがないお子さんでは、血液検査や皮膚テストによる「スクリーニング」は推奨されていません。

米国の0~21歳まで食物アレルギーの兄弟を持つお子さん(1120名)の調査では、約半数の方はアレルギー検査で陽性反応を示すものの実際に食べても症状を出しませんでした。

アレルギー症状を実際に呈するお子さんの頻度は8人に1人程度で、一般集団での頻度の12人に1人と大きくは変わらない数値と報告されています 1 。

その他にも、いくつかの検討がありますが、「兄弟に食物アレルギーのあるお子さんでは、食物アレルギー発症リスクはやや上がるものの、アレルギー検査を行うデメリット(痛み・費用・偽陽性・離乳食導入の遅れなどなど)の方が上回っている」と考えられています。

このような科学的根拠もあり、当院では誘発症状を疑う病歴がある場合を除いて、食物アレルギーの「スクリーニング」を目的としたアレルギー検査実施を推奨しておりません。

離乳食開始にあたりご心配な方は、環境再生保全機構の離乳食に関する動画を是非ご覧ください(以下のリンクになります。)。前職で同僚であった栄養士の長谷川先生が「食物アレルギーに配慮した離乳食の進め方」に関して解説されています。

https://www.erca.go.jp/yobou/event/r02remote01/index.html
1. Gupta RS, Walkner MM, Greenhawt M, et al. Food Allergy Sensitization and
Presentation in Siblings of Food Allergic Children. J Allergy Clin Immunol Pract. Sep-Oct
2016;4(5):956-62. doi:10.1016/j.jaip.2016.04.009