鶏卵アレルギーを防ぐための赤ちゃんへの初めての卵の与え方ガイド|なかむらこどもクリニック|登戸駅徒歩1分|川崎市多摩区の小児科・アレルギー科

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鶏卵アレルギーを防ぐための赤ちゃんへの初めての卵の与え方ガイド|なかむらこどもクリニック|登戸駅徒歩1分|川崎市多摩区の小児科・アレルギー科

鶏卵アレルギーを防ぐための赤ちゃんへの初めての卵の与え方ガイド

鶏卵は、お子さんの食物アレルギーの原因として最も多く、その多くが乳児期に発症
します。 このため、鶏卵アレルギーを心配した赤ちゃんの保護者の方から、乳幼児健
診の際に鶏卵の導入方法について相談を受けることがよくあります。

鶏卵の導入については、アトピー性皮膚炎の赤ちゃん(疑いを含む)を対象とした「鶏
卵アレルギー発症予防に関する提言」が2017年に日本小児アレルギー学会から発表
されており、当院では概ねこの提言に沿ってお答えしています。

この提言では、生後数か月でアトピー性皮膚炎を発症した赤ちゃんにおいて、離乳食
全般の摂取が遅れるほどアレルギー発症リスクが高まるという研究結果が示されて
います。また、生後6か月から少量の全卵を摂取することで発症リスクを低下させるこ
とができるとされています(PETITスタディ、Lancet 2017; 389: 276-86)。これに基づき
、当院では、食物アレルギーに精通した医師の管理のもと、生後6か月から微量の鶏
卵摂取を開始することを推奨しています。

鶏卵導入の具体的な方法については、以下の2つの方法が提示されています。

1. 国立成育医療研究センターで実施された研究に基づく摂取量の漸増方法
生後6か月から加熱全卵0.2g相当を3か月程度継続し、生後9か月から加熱全
卵1.1g相当をさらに3か月、そして12か月で加熱全卵32g相当を摂取するという
方法です。この方法により、完全除去した場合と比較して約8割の発症抑制効
果が認められています。ただし、この方法でも約8%の発症率があり、12か月
時に急に32gに増量するのは困難と考えられます。また、完全除去をしても約7
割の赤ちゃんが1歳時点で発症していないこともあり、全ての赤ちゃんにこの
摂取方法を適用するのは負担が大きいと考えられます。

2. 少量摂取確認した後、標準的な離乳食の摂取方法に基づく漸増方法
当院では、この方法を推奨しています。具体的には、耳かき一杯程度の加熱
卵黄から開始し、問題がなければ1~2か月程度で卵黄1個を目標に漸増しま
す。その後、加熱卵白を再び耳かき一杯から開始し、数か月かけて1/3~1/2
個を目指します。

注意点
鶏卵を食べ始める前には、湿疹が改善していることが重要です。また、何かしらの問
題が生じた場合には、詳細を確認し、摂取を継続するかどうかを判断するため、必ず
受診してください。