学校生活管理指導表の解説 Part2|なかむらこどもクリニック|登戸駅徒歩1分|川崎市多摩区の小児科・アレルギー科

  • 「登戸駅」徒歩1分
〒214-0014 神奈川県川崎市多摩区登戸2428番地 Noborito Gate Building 4階
044-935-5001
WEB予約
任意予防接種予診票
ダウンロード
ヘッダー画像

ブログ

学校生活管理指導表の解説 Part2|なかむらこどもクリニック|登戸駅徒歩1分|川崎市多摩区の小児科・アレルギー科

学校生活管理指導表の解説 Part2

食物アレルギーのあるお子さんで、「学校で配慮を希望される方」は、集団生活を開始する時に「学校生活管理指導表」(アレルギー疾患用)の提出が必要です。

前回からの引き続き、指導表の解説となります。

●原因食物・除去根拠

対応が必要な食物とその診断根拠を記載します。甲殻類や木の実類の場合で、必ずしもすべての食物を除去する必要のない場合には、個々の食物を記載しています。

除去根拠は、どうして医師が除去するべきと判断したかを

①明らかな症状の既往

②食物経口負荷試験陽性

IgE抗体等検査結果陽性

④未摂取

に分けて記載します。食物アレルギーの診断で、最も信頼性が高いのが、②の食物経口負荷試験となります。③は擬陽性(検査では陽性となるが、実際には食べることができるなど)が多いため、③のみで多品目の食物を除去している場合には、専門医へ是非受診下さい。④の場合には自宅での摂取で問題ないことを確認したら解除となります。

●緊急時に備えた処方薬

学校や保育所で症状がでてしまった時に用いるお薬を記載します。

アナフィラキシーがある患者さんでは、体重にもよりますが、エピペンを処方します。その他内服薬で抗ヒスタミン薬やステロイド薬が処方される事がありますが、抗ヒスタミン薬は皮膚症状などの軽症症状しか効果はなく、ステロイド薬は即効性がないため、アナフィラキシー時にはエピペン使用が優先されます。

●学校生活上の留意点

A 給食

除去が必要な食物が給食で提供される場合には「管理必要」と記載します。一方で、原因食物が給食では提供されないなどの対応されている場合には「管理不要」となる場合があります。

B 食物・食材を扱う授業・活動

調理実習がある場合や牛乳アレルギーの方が、牛乳パックなどを用いた授業に出席する場合には「管理必要」となります。

C 運動

食物依存性運動誘発アナフィラキシーがあり、原因が特定されていない場合に「管理必要」となります。原因が特定されている場合には、その食物を除去することにより「管理不要」に移行します。

D 宿泊を伴う校外活動

修学旅行など学校外での活動で配慮が必要な場合に記載します。外食は食品表示法のアレルギー表示の対象ではありません。このため、修学旅行などでは、患者・保護者が学校としっかりと話し合い、アレルギー反応があった場合の救急搬送先・所要時間・原材料まで含めた食事内容の確認などを事前に確認する必要があります。

E 原因食物を除去する場合により厳しい除去が必要なもの

この欄に記載されているものは、一般的に食物アレルギーであっても安全に摂取できるものです。2015年の「学校給食における食物アレルギー対応指針」でここに記載された食物の除去が必要な場合には、給食対応困難な場合があり、リスクマネジメントの観点から弁当対応など、給食提供をしないことを積極的に検討するという方針が示されています。